入札動向レポート 「獣害」「有害獣」のワードを含む入札公告件数・落札件数と落札金額の推移を調査・分析

「入札王」の保持する入札・落札情報から、今後のトレンドとなるキーワードの動向を調査・分析しています。今回は「獣害」「有害獣」のワードを含む入落札案件の過去5年間の推移と、落札金額と件数を推移から分析しました。

調査トピックス

  • 2023年の10月までの時点で「獣害」「有害獣」のワードを含む入札公告件数は、前年を上回る公告件数となっている。
  • 発注地域の内訳として「群馬県」と「山梨県」の公告が大半を占めている。また、落札件数・落札金額についても同様である。
  • 「獣害」「有害獣」のワードを含む案件は各年4月・9月に多く落札されており、2023年も同様の推移となった。


・「獣害」「有害獣」のワードを含む入落札情報の過去5年・月別推移、落札金額の動向

図1 2018年から2022年までの「獣害」「有害獣」のワードを含む入札公告件数推移


「獣害」「有害獣」のワードを含む入札公告は2018年から2022年までに735件でした。最多となったのは2018年の162件で、2020年は130件に減少していました。2021年、2022年はともに146件で、過去5年間の推移としてみれば大幅な件数の増減はありませんでした。

 

図2 2020年1月から2022年12月までの「獣害」「有害獣」を含む入札公告の月別推移と同月比較


続いては2020年から2022年までの「獣害」「有害獣」を含む入札公告件数を同月で比較したグラフです。
2021年と2022年は件数こそ同数だったものの、月の件数推移は異なっており、2021年は年度下半期最初の11月が最多件数で、2022年は年下半期7月が最多件数となりました。また2021年は4月が1件で、2022年は同月に11件公告されており、他の月を比較しても2021年は増減の差が大きく、2022年は比較的均された入札公告件数の推移となりました。


図3 2020年から2022年の「獣害」「有害獣」のワードを含む都道府県別入札公告件数内訳


2020年から2022年までの「獣害」「有害獣」を含む入札公告の都道府県別内訳です。最多となったのは群馬県と山梨県でともに86件でした。次いで静岡県の31件、長野県の29件となりました。

群馬県と山梨県の主な入札公告としては「獣害防止柵設置工事・点検」、群馬県では「河川維持補修鳥獣害対策のための伐木・除草」などが多くありました。


図4 2020年から2022年の「獣害」「有害獣」のワードを含む業種別入札公告件数内訳


続いては2020年から2022年までの「獣害」「有害獣」を含む入札公告の業種カテゴリ内訳です。グラフ全体の数値の合計は過去3年間の合計422件を越えますが、これは、1つの公告につき2業種以上のカテゴリが付与されている場合があるためです。
最多となったのは「土木工事」で132件。次いで「建築資材・プレハブ」の127件、「造園・公園等整備」の100件となりました。
「土木工事」の入札公告は前述の「獣害防止柵の設置工事」が多数を占めています。「建築資材・プレハブ」は「鳥獣被害防止総合対策事業のための獣害防除資材の購入」、「造園・公園等整備」は「河川維持補修河川除草委託」などが公告されていました。

図5 2018年から2022年までの「獣害」「有害獣」のワードを含む落札件数推移


図6 2020年1月から2022年12月までの「獣害」「有害獣」のワードを含む月別落札件数推移と同月比較


図5は2018年から2022年までの「獣害」「有害獣」のワードを含む年間落札件数の推移、図6は2020年1月から2022年12月までの月別落札件数と各年同月比較したものです。
過去5年間の推移を見ていくと、落札件数は徐々に減少しています。
同月比較としては、2021年の12月が過去3年間の月別件数最多の30件で、全体的には8月から12月に多く落札されています。


図7 2020年から2022年の「獣害」「有害獣」を含む落札件数の都道府県別内訳

2020年から2022年までの落札件数の都道府県別内訳は、入札同様群馬県が106件で最多、次いで山梨県が100件、静岡県が32件となりました。

図8 2020年から2022年の「獣害」「有害獣」を含む落札金額の都道府県別内訳


落札金額についても最高金額が群馬県のおよそ18億7,124万円、次いで山梨県、静岡県となりました。落札件数の上位に入っていなかった福島県が4番目に高いおよそ3億1,665万円で、「有害獣対策用自動撮影カメラ賃貸借契約」、「獣害対策事業(獣害防鹿柵の設置・撤去及び巡視)」などがありました。

図9 2018年から2022年までの「獣害」「有害獣」のワードを含む合計落札金額推移


続いては2018年から2022年までの「獣害」「有害獣」のワードを含む落札金額の推移です。
落札件数同様、最高金額は2018年でおよそ27億4,771万円でした。以降減少が続き、2021年におよそ19億1,410万円に増額し、2022年には過去5年で最も低いおよそ17億1,383万円に再び減少しました。落札件数の推移とほぼ同様の推移でした。

図10 2020年1月から2022年12月までの「獣害」「有害獣」のワードを含む月別落札金額推移と同月比較


図10は2020年1月から2022年12月までの月別落札件数推移、同月比較したグラフと各月の合計落札金額表です。
2020年は9月に最高落札金額となるおよそ3億2,663万円、次いで4月におよそ2億9,805万円となりました。
翌年2021年は4月が最高金額のおよそ5億358万円と、過去3年間の月別落札金額の最高額でした。2022年も4月が最高金額となるおよそ4億3,769万円でした。年度頭の4月と下半期最初の9月に「獣害」「有害獣」が高額となっています。この推移は、落札件数の月別推移とは異なっていました。



・2023年の「獣害」「有害獣」のワードを含む入落札情報月別推移、落札金額の動向


図11 2023年1月から10月までの「獣害」「有害獣」のワードを含む月別入札公告件数推移

続いて、2023年の1月から10月までの「獣害」「有害獣」を含む入札公告件数の推移です。10月までの合計件数は147件と、現時点で昨年の146件を上回る件数となりました。
図2の過去年と比較して8月から10月にかけて入札公告件数が特に増加しており、最も少ない件数は1月、4月、5月の8件と過去3年と比較して各月の増減幅が小さくなっています。


図12 2023年の「獣害」「有害獣」のワードを含む都道府県別入札公内訳


2023年の「獣害」「有害獣」を含む入札公告の都道府県別内訳は147件のうち35件を群馬県、20件を山梨県が占めており、過去の3年間の都道府県内訳同様となっています。また、次いで長野県、静岡県が8件ずつとなりました。一方で、過去3年間の内訳には無かった東京都が次いで7件と増加しています。

図13 2023年の「獣害」「有害獣」の入札公告における業種カテゴリの内訳


続いて、「獣害」「有害獣」のワードを含む入札公告の業種カテゴリ別の内訳です。グラフ全体の数値の合計は2023年の合計147件を越えますが、これは、1つの公告につき2業種以上のカテゴリが付与されている場合があるためです。
最多件数は「造園・公園等整備」で55件。次いで「建築資材・プレハブ」の48件、「土木工事」の39件と、例年同様の上位3業種となりました。
各業種別に公告内容を確認すると、上位の3業種は主に「河川維持補修河川除草委託(鳥獣害対策)」や「造林(地拵・植付・獣害防護柵設置)請負事業」が多くを占めています。
他にも「獣害対策用通信機能付きトレイルカメラ」や「有害獣駆除保険」、「獣害に関わる生物の情報収集業務」などの入札が公告されていました。


図14 2023年1月から2023年9月までの「獣害」「有害獣」のワードを含む月別落札件数推移



図15 2023年1月から2023年9月までの「獣害」「有害獣」のワードを含む月別落札金額推移

図14、15は2023年の1月から9月までの落札件数と落札金額の推移です。落札件数は合計で114件、落札金額は合計およそ14億5,464万円でした。
2023年の落札金額も過去年と同様に4月が最高金額のおよそ7億817万円、次いで9月となっており、2021年、2022年と同様の傾向となっています。


図16 2023年の「獣害」「有害獣」のワードを含む落札件数の都道府県別内訳

2023年の「獣害」「有害獣」の都道府県別内訳です。例年同様に群馬県が最多件数の23件、次いで山梨県が11件でした。

図17 2023年の「獣害」「有害獣」のワードを含む落札金額の都道府県別内訳

2023年の都道府県別落札金額の内訳は、群馬県が最高金額となるおよそ5億3,631万円でした。

・2023年の「獣害」「有害獣」のワードを含む助成金・補助金公告の動向


入札王では助成金・補助金情報も収集しています。「獣害」「有害獣」に関する助成金・補助金が過去に何件公告されているのか、現状の件数と併せて推移を振り返っていきたいと思います。

図18 2018年から2022年までの「獣害」「有害獣」を含む「助成金・補助金」の年間公告件数推移

図18は「獣害」「有害獣」のワードを含む2018年から2022年までの「助成金・補助金」の公告件数推移です。2022年が最多件数となっています。

図19 2023年1月から10月までの「獣害」「有害獣」を含む「助成金・補助金」の月別公告件数推移

2023年1月から19月までの「獣害」「有害獣」に関する「助成金・補助金」の推移です。公告されているのは3月から5月までの3か月間のみですが、前年を上回る11件公告されています。
主な助成金・補助金の内容としては「獣害被害防止対策事業費補助金」、「獣害防止柵補助金」や「電気柵などの資材費用補助」といったものがほとんどでした。


▼入札王で「獣害」「有害獣」の入札案件をチェック!

https://www.nyusatsu-king.com/info/search/result/?q=%E7%8D%A3%E5%AE%B3

Back To Top