入札王調査レポート  「国土強靭化」のワードを含む入札公告件数・落札件数と落札金額の推移分析

「入札王」の保持する入札・落札情報から、今後のトレンドとなるキーワードの動向を調査・分析しています。
今回は「国土強靭化」のワードを含む入落札案件の過去5年間の推移と、落札金額と件数を推移から分析しました。

調査トピックス

  • 「国土強靭化」のワードを含む入札公告は2021年に急増。
  • 2023年の9月までの時点で「国土強靭化」のワードを含む入札公告件数は、前年を上回る公告件数となっている。
  • 発注地域の内訳として静岡県から公告された案件が大半を占めている。また、合計落札金額についても同様である。
  • 「国土強靭化」のワードを含む入札公告は各年2月が最多、落札は1か月後の3月に大幅に増加している。

「国土強靭化」のワードを含む入落札情報の過去5年・月別推移、落札金額の動向

図1 2018年から2022年までの「国土強靭化」のワードを含む入札公告件数推移


「国土強靭化」のワードを含む入札公告は2018年から2022年までに642件でした。2021年まで件数は増加し続けており、2022年に減少しました。2021年の入札公告件数は2020年から2倍以上の大幅増加となりました。
増加の著しい2021年の入札公告は、国土強靭化対策の設計業務、計画策定、工事、地質調査業務が大半を占めました。
  

図2 2020年1月から2022年12月までの「国土強靭化」を含む入札公告の月別推移と同月比較


続いては2020年から2022年までの「国土強靭化」を含む入札公告件数を同月で比較したグラフです。
2021年の入札公告件数の急増は2月に集中していました。また、年度末の3月にも2020年と2022年と比較して、とりわけ多くの入札が公告されており、年度上半期の9月まで安定した入札が公告されています。
2022年は2月が最多件数となったのは前年同様ですが、2021年と比較して目立って急増した月は見られず、全体的に均された件数推移となりました。

図3 2020年から2022年の「国土強靭化」のワードを含む都道府県別入札公告件数内訳


続いては、2020年から2022年までの「国土強靭化」を含む入札公告の都道府県別内訳です。最多となったのは静岡県で419件と、全体の約72%を占める件数でした。次いで千葉県・新潟県の18件で約3%と静岡県に集中して公告されていました。

図4 2018年から2022年までの「国土強靭化」のワードを含む落札件数推移


図5 2020年1月から2022年12月までの「国土強靭化」のワードを含む月別落札件数推移と同月比較


図4は2018年から2022年までの「国土強靭化」のワードを含む年間落札件数の推移、図5は2020年1月から2022年12月までの月別落札件数と各年同月比較したものです。2021年の3月に入札公告同様落札件数が急増しています。



図6 2020年から2022年の「国土強靭化」を含む落札件数の都道府県別内訳

2020年から2022年までの落札件数の都道府県別内訳は、入札同様静岡県が最多の663件でおよそ71.4%でした。一方、入札広告では2番目に多かった新潟県と千葉県は、落札件数では岐阜県と東京都を下回る4、5番目に位置し、入札公告とは異なった結果でした。

図7 2018年から2022年までの「国土強靭化」のワードを含む合計落札金額推移


2018年から2022年までの「国土強靭化」のワードを含む落札金額の推移です。
落札金額でみると、2020年から2021年にかけては10倍近い落札金額の増加となりました。落札金額も入札公告件数、落札件数同様に2021年が最高金額となるおよそ144億1,321万円で、2022年はおよそ41億9,207万円の減額となりました。


図8 2020年1月から2022年12月までの「国土強靭化」のワードを含む月別落札金額推移と同月比較


図8は2020年1月から2022年12月までの月別落札件数推移、同月比較したグラフと各月の合計落札金額表です。2020年は3月に最高落札金額となるおよそ4億7,705万円、翌年2021年も3月が最高金額のおよそ90億3,040万円と、過去3年間の月別落札金額でした。一方、2022年は2月が最高となるおよそ31億694万円で、1月から3月にかけて大幅に落札されるという推移でした。


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・2023年の「国土強靭化」のワードを含む入落札情報月別推移、落札金額の動

図9 2023年1月から9月までの「国土強靭化」のワードを含む月別入札公告件数推移


続いて、2023年の1月から6月までの「国土強靭化」を含む入札公告件数の推移です。9月までの合計件数は215件と、現時点で昨年の208件を上回る件数となりました。
図2の過去年と比較して、2021年、2022年同様2月に多く公告され、3~4月は低調となっています。また、8月は過去と比較して最多となりました。

図10 2023年の「国土強靭化」のワードを含む都道府県別入札公内訳


2023年も「国土強靭化」を含む入札公告の都道府県別内訳は215件のうち199件を静岡県で割合としては約90.9%を占めていました。次いで、新潟県が9件で約4.1%、千葉県が4件で約1.8%と、上位3県は同様の結果となりました。一方、図3で4番目に多かった福井県は現状では0件となっています。

図11 2023年の「国土強靭化」の入札公告における業種カテゴリの内訳


続いて、「国土強靭化」のワードを含む入札公告の業種カテゴリ別の内訳です。グラフ全体の数値の合計は2023年の合計215件を越えますが、これは、1つの公告につき2業種以上のカテゴリが付与されている場合があるためです。
「土木工事」が半数を超える143件で最多、次いで「設計・測量」「調査・研究業務」「道路関連工事」と続いています。
各業種別に公告内容を確認すると、「土木工事」では、「河床掘削工」や「護岸工」が多くを占めており、「設計・測量」」「調査・研究業務」では、「護岸詳細設計」や「地盤変動影響調査」などがありました。他にも「電気・電源設備及び工事」は「交通信号機改良工事」、「デザイン・印刷・広告」は「洪水浸水想定区域図作成業務」、「氾濫推定図作成業務」などが主な公告でした。

図12 2023年1月から2023年9月までの「国土強靭化」のワードを含む月別落札件数推移


図13 2023年1月から2023年9月までの「国土強靭化」のワードを含む月別落札金額推移


図10、11は2023年の1月から9月までの落札件数と落札金額の推移です。落札件数は合計で333件、落札金額は合計でおよそ119億130万円でした。9月までの段階の合計金額はすでに前年を上回っています。
2023年も落札件数、落札金額ともに3月が最多となっており、2020年、2021年と同様の傾向となっています。

図14 2023年の「国土強靭化」のワードを含む落札件数・落札金額の都道府県別内訳


2023年の「国土強靭化」のワードを含む落札件数・落札金額の都道府県別内訳です。例年同様に静岡県が最多件数の311件、落札金額はおよそ112億7,026円と、2023年の落札金額の約94.7%を占めています。次いで、新潟県、岐阜県、千葉県と並んでおり、例年までの発注地域と比べて大きな変化はありませんでした。


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